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ほんのり ほろり。

――久しぶりに、意識の高いヒトと会った。

基本的な構造を構成し、
それに色と形を与え、
要望に対応させていく。

その一面は、とてもむつかしいコトなんだと思う。
何がむつかしいのかと言うと、それを続けるということ。

ヒトは怠惰が好きだから。
そこまでやれない人が多いのではないか。

けれど、それは楽しいだろう。

それは――高みに昇る喜びと、そうした自分に誇りが持てるから。

職人が、黙々と自分の作品を作り上げる様に、
息をするように、そうすることができれば楽しい。


ピアノの高音だけで構成されている音楽にも似た、
透明感のある、美しさ。


ヒトはその美しさを信じられずに、また見ることも叶わずに、ただ、堕ちていくのだろう。


金は道具に過ぎず、価値も無く、ただの紙切れだという事を認められないように。


――俺も、そこに辿り着けるだろうか。

俺は誰かに問いかけ続け、自分の身の内で答えを完成させる。
百の魂が、百通りの願いを持つように。否定せず、直視できるように。

世界がどのように転んでも、自分がどんな道を歩んでいても、
『私』が『私』であるのなら、何の問題も無い。

後悔などしない。後悔したとしても、それはほんの一瞬だけ。

全ては糧となり、私をより良く生かす為に役立つ。

醜く在らぬように、綺麗でありたい。


――なんか、昔の事を思い出した。
――ああ、そうか。

その昔――“彼女”が綺麗に見えたのは、矢張り、そう言うコトだったのだと。

私の自己中心的な錯覚でも良いが、そう在って欲しいとも思う。
あれが、ヒトの持つ “光” であれと。
by febaly | 2006-11-21 17:33 | Febaly
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